就職や結婚などで実家を離れて親と別々に暮らしていると、だんだんと考えなくてはいけないのが実家の片付け問題。
兄弟が親と同居している場合や、親が若くてまだまだ元気なうちだといいのですが、年老いた親だけが暮らしている家だと親が生きているうちにできるだけいらないものを処分しておきたいというのがこどもの本音。
親世代は特に物を大事にしていたり、捨てるということを考えられない方も多いので、そういう時はまず親の説得からしなくてはいけません。
そこがうまくいかなければ片付けどころか、親子関係が悪化することもあるのです。
どうすれば実家の片付けがうまくいくのか、そのコツをお伝えしていきます。
実家の片付け問題とは
実家の片付けをやっておいた方がいい理由
そもそも実家の片付け問題とはどういったことでしょうか。
あなたが実家を離れて暮らしていて、実家に住む兄弟や親せきがいない場合、もし両親が病気や死亡したらその後空き家となってしまうということが予想されます。
そうなると実家にある荷物の整理というのは予想以上に大変なもの。また親の大切にしていたものや思いがこもったものなどがあると処分することに抵抗があることも・・。
実家の片付け問題に直面している多くの方が「親が生きているときに少しでも整理をしたり、親の意思を聞いておけばよかった」と後悔しているのです。
また生前整理をしている方でも予想以上に実家の片付けは大変と実感しています。
さらに親の死亡後に実家の片付けをする場合、約2割の人が実家の片付けに1年以上費やしているというアンケート結果もあります。その理由としては例えば以下のようなものです。
「どこに何があるかわからない状態で片付けるので、手間がかかる」(50代男性、兵庫県)、「思い出にふけってしまい、なかなか進まない」(40代女性、東京都) <週刊東洋経済 2014/8/20>
体力的にも動くことができず、片付けできなくて、気づいたらゴミ屋敷状態になってしまっている家もあります。


そのために思い立ったらできる限り早く、親と実家の片付けについて話し合っておいた方がいいのです。
どんな時に実家の片付けが必要になるのか
実家の片付けの必要性を感じるのはどのような時でしょうか。例えば以下のような時があります。
親が死亡した時
親が施設入居した時
親が病気や年老いて思うように動けなくなった時
実家に今後誰も住むことがないと分かった時 など
親の死亡や急に倒れた場合は予想外の時にやってくることが多いので、そうなると残された家族が自分たちの意思で片付けをやらなければいけません。
できれば、亡くなった親の意思を取り入れたり、これだけは後世に残しておきたいというものがあればそれも事前に知っておくにこしたことはありません。

実家の片付けを成功させるコツ
まずは親の説得から
実家とは言え、今は自分の家ではない家。
親世代は高度成長期に家を建て、家に対する思い入れが強かったり、モノを大切にする人も多いことから実際片付けをしようとすると、親と片付けに対する価値観の違いでなかなか話し合いが進まないという現実に直面することが多いのです。
そのために、まずは親と一度片付けをする必要性を話し合う機会を持つことが重要。


そして、片付けをする必要性を親が理解してくれたら本格的に話し合うといいでしょう。
なかなか家族が揃うことがない場合はお盆やお正月など兄弟や親せきが集まるときなどにどういうタイミングで片付けをやるのがベストなのかを家族で話し合ってみましょう。
片付けを始めるタイミング
それでは実際いつから実家の片付けを始めるのがベストなのでしょうか。
片付けを切り出すことは親のライフスタイルにもよるので、はっきりと「いつ」というタイミングはありません。こどもとしてもなかなか親の死を意識して話を切り出すということは難しいですよね。
ただライフスタイルの変化がそのタイミングになるかもしれません。
- 床に物を置くようになってきたとき
- ケガや病気を患ったとき
- なんとなく認知症?と感じたとき
- 親のどちらかが亡くなったとき
- 親が引っ越しを望んだとき
片付けは自分のものから始める
いざ片付けるタイミングが来たらどこから始めたらいいと思いますか。
それはズバリ、自分の物から。
実家から出ても、学生の頃の学用品や洋服、使うことのない家電などが案外実家にしまわれたままになっていることがあります。
なので、最初に手を付けるのは実家に置きっぱなしのあなたの物。そこから片付けていきましょう。
片付けはゆっくりペースで
片付けを始めると決めたらあれこれ捨てたくなる衝動に駆られるかもしれませんが、実家の片付けは無理せず、ゆっくりと始めましょう。
親に提案という形で「こうしたらどう?」「こうすると良さそうだよ」とうまく納得してもらえるように話すことが大事です。つまり片付けの主体はあなたではなく、親自身であると理解してもらうのです。
いざ片付け始めてもおそらく「やっぱり捨てたくない」「これは大事」と進まないかもしれません。


親が片付けすること自体には了承している場合は、あえて片付けの現場を見せないというのも一つのコツ。別の部屋や出かけている間に片付けをするといいでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今あなたが住んでいなくてもいずれ誰も住むことがなくなったら片付けをしなければいけなくなる実家。どうせやらなくてはいけないならなるべく負担を軽くしておきたいものですよね。
ただ一番大切なのは親御さんの気持ち。
これまで長年生きてきた住処の片付けをするというのは親御さんにとっても勇気がいるものです。
ゴミ屋敷同然のように緊急性がある場合はこのままでは危険だからと半ば強制的に納得させる必要があるかもしれませんが、きれいにしているものの、物が多くて大変そうな場合はできれば親御さんが元気なうちに思い出を語りながら少しずつ整理していくのが理想ですね。